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本屋で何気なく野球小僧を読んでいると、セルジオ越後が野球に関連して日本のスポーツの発展について語っていた。

さらっと読んだだけなんだけれど、ここのところ五輪復帰がどうのとか普及がどうのとかいろいろ言ってきたところをこのセルジオ越後の話は自分が言わんとしていたことをすべて簡潔に語っていて思わず頷いてしまった。

カムバック五輪野球(1)
カムバック五輪野球(2)
この記事でWBCは大きな親善試合だと書いたけれども、そのWBCにおける問題点、野球の統括組織の必要性、ルール統一の必要性など共感する内容ばかりで、まさに今まで書いて来たことを代弁してもらったかのようだった。
各国の野球が国内のことばかりを考えてベクトルが別々の方向に向かっている旨にも言及してあったし、まさに「国際化」という面では最も見習わなければならないサッカー界から警鐘を鳴らしているかのようだった。

セルジオ越後がIBAFの組織や現在の野球の現状などについて詳しいのにも正直驚いたが、むしろ最も納得させられたのは、その後。

野球の話からスポーツ全体に話は移って、選手の育成の話に。
その中で日本のスポーツ発展のためには「補欠を無くすこと」が必要だという理論を説いていた。
要するに日本のスポーツは部活動中心のため、海外のように複数のスポーツから導入していって最も成績の出たスポーツに絞っていくということができない、つまり上手かろうが下手だろうが選んだスポーツを続けること
しかできないことで他の可能性を潰している。
そして補欠が生まれ、何十人もスタンドで応援するだけ。
クラブチームであれば自分を生かせるチームに移籍することも出来るが、1高1チームしか持たない部活動だとそれも出来ない。
これは非常にもったいないのではないか?
うちのBチームはあそこのAチームより強いなどという考え方は愚かである。
と、まぁこんな内容だった

こういう話をしだすと高野連批判とかしたくなってしまいそうなので、長くなってしまうのでやめておきますが。


正直、サッカー界から野球界にこのように警鐘を鳴らされる状態になっていることが恥ずかしいし、悔しい。
別に筆者はサッカーが嫌いなわけではなくて、「国際化」の先進であるサッカーに同じく大きなマーケットを持ちながら真の国際化の進まない野球が「スポーツ」の発展の上で足手まといの扱いにされていることを悲しく思うのです。

セルジオ越後はただ単にスポーツ界の今後を考えての発言だったと思うのだけれど、「野球がもっと統一感を出さないとスポーツの将来はないですよ」ということが言われているのは確か。

気になった人は現在発売中の野球小僧を読んでみてはいかがでしょうか。(別に宣伝でもなんでもないんですけどね^^;)
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好きな選手とか、プレーに惹かれる選手とかそういった類のものはスポーツを愛する人なら誰にでもいるんだと思う。
でも「尊敬できる選手」となるとどうだろう。それはまたこういった選手とはひと味違うものではないだろうか。

自分の最も尊敬する選手の一人に白倉"ヒップトーン"キッサダーという選手がいる。
単に白倉キッサダーと言ったほうがピンと来る方も多いかもしれない。
彼はタイ人と日本人のハーフ※1。
タイで生まれ、日本で育った"タイ人"、つまりヒップトーン・キッサダーというのはタイ名なのだ。
彼は日本で野球と出会い、上田西高校から亜細亜大学に進学、最優秀防御率のタイトルも手にして昨年のドラフト候補にも挙がった。

高校3年で初めてタイ代表に招集され、以降エースとして投げに投げまくっている。
打線の援護が全くなくても、後続の投手がどれだけ打たれても代表として奮闘する彼の姿には敬意を表さずにはいられない。
青年海外協力隊の草の根の普及によって始まったタイ野球。
しかし日本で野球を学んだ男はやはりその中に入れば格が違うわけで、140kmを超える直球を捕るために捕手が湘南に派遣されて猛特訓したとか。

彼がタイ代表入りを決意したのは国際大会に出るためだろうか?
確かにキッサダー自身も「国際大会は貴重な経験」と重ねて発言している。
しかし、彼の投球を見るにそれだけであるとは思えない。
キッサダーのおかげでタイ代表はアジア5番手のフィリピンと肩を並べるまでにのし上がった。
タイ悲願のワールドカップにも出場した。でもそれが目的なのだろうか?

2007年、キッサダーはSEAゲームズにタイ代表として出場した。
SEAゲームズとは正式名称を東南アジア競技大会といい、東南アジア諸国のスポーツの祭典である。
考えて欲しい、たかがSEAゲームズである。
宿敵フィリピンがいるとはいえ、その他の出場国はミャンマー・マレーシア・カンボジア…あまりにも役不足である。
それでも彼は投げ続けた。ワールドカップならまだしも、SEAゲームズで。

2007年アジア野球選手権。
アジア3強と戦うチャンスを得る1次ラウンドにタイ代表エースの姿はあった。
かねてから貧打にあえぐタイ代表。
エースキッサダーが登板しなかったパキスタン戦で打撃力に定評のあった格下相手にまさかの敗戦。
そして迎えたフィリピン戦でキッサダーは快投を続け、スコアボードに0が9つ並ぶ。
ところが何ということだろう、反対側にも全く同じ数字が並んでいるではないか。
キッサダーは12イニングを完投、打線の援護を得ることなく引き分けに終わり、キッサダーが望んだ日本プロ代表と対戦するという夢はあえなく散ったのであった。

2009年SEAゲームズ決勝、マウンドにはまたしてもキッサダーが立っていた。
タイ-フィリピン。
相手投手は2007アジア選手権日本戦でも登板したJ.J.ロブレス。
タイ代表は見事金メダルに輝き、雪辱を果たしたのだった。

そして2009年アジア野球選手権が開催されようとしている。
今大会は五輪予選を兼ねない(今後永遠に兼ねることはないかもしれないのだが)アジア選手権、日本代表は社会人で構成される。
亜大卒業後、Honda鈴鹿に進んだキッサダー。
多くの社会人選手は日本代表を目指しているだろう。
しかし、彼は違う。
今大会メンバー入りしているかはまだ分からないが※2、見つめる先はタイランドなのだ。

ヒップトーン・キッサダー。
彼の姿にはWBCイタリア代表として出場したピアッツァ、いやそれ以上のものを感じる。
地位や名誉の為なんかではない。タイ不動のエースナンバー18は世界で投げ続ける。

以下参考:

37thワールドカップ2007 タイ-オランダ @Stadeo.TV(動画)

成績  
回/被安/奪三/四死/自責
vsオランダ 5 7 4 5 4
vsオーストラリア1 1 2 1 0
vsドイツ 8 2 2 5 0
vsベネズエラ 1 0 0 1 0
総 合 成 績 15 10 8 12 4 防御率2.40
↑見よ、この数字。


追記:
※1 後に純粋なタイ人であることが判明 参照:アジア野球選手権2009+キッサダー
※2 ちゃんと代表入りしました。
カムバック五輪野球(1)

野球の五輪復帰にはソフトボールの存在も大きい。
野球と似て非なるスポーツ、ソフトボールも同じくして五輪からの除外が決定した。
ソフトボールも熱烈な五輪復活をアピールする運動を行っている。
日本においては女子はソフトボール、男子は野球という棲み分けが出来ている。もちろん男子ソフトボールだって女子野球だって存在するにも関わらず。

驚くなかれ、世界の野球新興国のほとんどの連盟において新興スポーツ「baseball」は「softball」と同じ連盟組織になっているのだ。これはまだ良い方で、さらにはクリケット・ホッケーなんかと一緒になっているところまである。
まぁサッカーで言えばフットサルやビーチサッカーが同じ連盟になっていたりするようなもんなのかもしれないが、ともに五輪競技であるバレーボールとビーチバレーが同じ連盟であるのとは訳が違うような気がしてならない。

互いに男子ソフトと女子野球の競技人口を食いつぶし合っているような状況の中、野球はソフトボールに共同での五輪復帰を提案したがソフトボール側から拒否。
IBAFは女子野球のワールドカップを初開催して野球単独での女子のマーケット開拓に動き出した。
もしどちらかのみが五輪復帰となった場合に男女ともに採用されるのだろうか?
ソフトボールとの共存をはかることが難しくなった今、オリンピック的にも女子野球の普及が求められているといえよう。
男子野球でさえ普及に苦心しているところに女子人口の分までのしかかってきているのだから、「baseball」という競技そのものに対する将来は非常に厳しいものになっている。(そもそも女子人口をソフトボールに妥協して長い間女子に目を向けていなかった野球自身にも責任がある)


さらなる五輪復帰を阻む大きな理由にトップ選手の不参加がある。つまり、MLB選手が出場しないのだ。
現在はプロ主体にチームを送り込んでいるが、もともと野球にとって五輪はアマ選手にとっての最も大きな舞台であった。
しかし、オリンピックは各競技の世界トップ選手が一堂に会す大会。アマチュアで編成することに異論は多い。

“ワールドスポーツ”であるとされるサッカーは五輪は一応年齢制限を設けている。
しかしサッカーにはワールドカップという押しも押されぬ国を挙げた各国トップ選手の大会が存在している。
野球でも五輪はアマチュアでというのもまた一理ある。
しかしそれには最強選手が集まった「代わりの大会」が絶対必要だ。
「真の世界一」を決めるべくして始まったWBC。ところがふたを開けてみればMLB主催で参加国が最初から決まっていて予選がない(一部の国による大きな親善試合大会といわれても反論できない)という有様。
予選をしたって今の世界の野球レベルでは本戦に出場国は今とほとんど変わりはないだろう。
しかし、baseballが真の国際スポーツであるためにはすべての加盟国で予選を行う三角形型に頂点を決める大会が必要ではないのか?
本来サッカーのワールドカップにあたるべきIBAFワールドカップは主要国のプロ選手が出場しない(出れない)
そもそも破格の影響力を持つMLBがIBAFに加盟していないという事実。
本来であれば、五輪競技であろうとなかろうとこっちが真の世界一を決める大会でなくてはいけないはずだ。

しかしながら現実は現実。主要国は勝手に国内でリーグを開催して勝手に盛り上がって自己満足しているのが現状。
未加盟の最大組織がやっと重い腰を上げるまで現状は変わってこなかった。
やっとあげた重い腰もやっぱり一部の国による「WBCという名の大きな親善試合」になってしまって出場できないIBAF加盟各国は何一つ恩恵を受けることはない。
だからこそ、「baseball」は五輪にすがる必要性に迫られている。
野球にとっては最高峰の大会でなくても、「スポーツ」にとって最も権威ある大会。
それさえも除外されてしまうと、野球新興国が「baseball」という競技を普及推進する理由が無くなってしまう。
「baseballっていうスポーツがあってね、オリンピック競技じゃないけどアメリカや日本では巨大なマーケットがあって、一流選手は国の顔でスターなんだよ」
といくら説明したところで、それは日本で
「クリケットって言うスポーツがあってね、オリンピック競技じゃないけどインドや旧イギリス圏内の国では凄い人気があって、国民は一日中試合に熱中するんだ。一流選手はスターなんだぜ」
と必死こいているのと何ら変わりはない。
強化費が下りるというのもかなり大きな理由のひとつだが、「五輪競技である」というメンツがあるかないかで「baseball」という競技自体の価値を大きく左右することになるのではないか。


本来「baseball」という競技を高めていく上で先頭に立つべき野球先進国が「MLB」「プロ野球」「職業棒球」という一種の娯楽に傾倒しすぎてしまったことによって、これからそのように成長していくべき国々に多大な迷惑をかけるような事態となっている。
MLBが欧州や南米に野球学校を作りだしている。
日本もカープアカデミーはじめ、アジア地域の野球の向上に力を尽くしてきた。
しかしどうだ。それらの努力を無にする事態を自分たちで引き起こしてはいないか?


現状が打開されない限り、五輪に野球は必要だ。
しかし、事実野球は除外された。ともにパートナーであった(と野球側が勝手に思っていただけかもしれないが)はずのソフトボールからもそっぽを向かれた。
だったら現状を打開するしか道はない。
確実に少しずつではあるが普及の成果は出ているように見える。その芽に花咲かせるためには、五輪復帰が難しそうな今こそIBAFを頂点にした三角形の組織を構築する時がきているはずだ。

五輪除外と復帰運動。「野球競技」にとって過去最大の山場を迎えていることは間違いない。


参考:吉田えり初登板から女子野球を考える
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