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カムバック五輪野球(1)

野球の五輪復帰にはソフトボールの存在も大きい。
野球と似て非なるスポーツ、ソフトボールも同じくして五輪からの除外が決定した。
ソフトボールも熱烈な五輪復活をアピールする運動を行っている。
日本においては女子はソフトボール、男子は野球という棲み分けが出来ている。もちろん男子ソフトボールだって女子野球だって存在するにも関わらず。

驚くなかれ、世界の野球新興国のほとんどの連盟において新興スポーツ「baseball」は「softball」と同じ連盟組織になっているのだ。これはまだ良い方で、さらにはクリケット・ホッケーなんかと一緒になっているところまである。
まぁサッカーで言えばフットサルやビーチサッカーが同じ連盟になっていたりするようなもんなのかもしれないが、ともに五輪競技であるバレーボールとビーチバレーが同じ連盟であるのとは訳が違うような気がしてならない。

互いに男子ソフトと女子野球の競技人口を食いつぶし合っているような状況の中、野球はソフトボールに共同での五輪復帰を提案したがソフトボール側から拒否。
IBAFは女子野球のワールドカップを初開催して野球単独での女子のマーケット開拓に動き出した。
もしどちらかのみが五輪復帰となった場合に男女ともに採用されるのだろうか?
ソフトボールとの共存をはかることが難しくなった今、オリンピック的にも女子野球の普及が求められているといえよう。
男子野球でさえ普及に苦心しているところに女子人口の分までのしかかってきているのだから、「baseball」という競技そのものに対する将来は非常に厳しいものになっている。(そもそも女子人口をソフトボールに妥協して長い間女子に目を向けていなかった野球自身にも責任がある)


さらなる五輪復帰を阻む大きな理由にトップ選手の不参加がある。つまり、MLB選手が出場しないのだ。
現在はプロ主体にチームを送り込んでいるが、もともと野球にとって五輪はアマ選手にとっての最も大きな舞台であった。
しかし、オリンピックは各競技の世界トップ選手が一堂に会す大会。アマチュアで編成することに異論は多い。

“ワールドスポーツ”であるとされるサッカーは五輪は一応年齢制限を設けている。
しかしサッカーにはワールドカップという押しも押されぬ国を挙げた各国トップ選手の大会が存在している。
野球でも五輪はアマチュアでというのもまた一理ある。
しかしそれには最強選手が集まった「代わりの大会」が絶対必要だ。
「真の世界一」を決めるべくして始まったWBC。ところがふたを開けてみればMLB主催で参加国が最初から決まっていて予選がない(一部の国による大きな親善試合大会といわれても反論できない)という有様。
予選をしたって今の世界の野球レベルでは本戦に出場国は今とほとんど変わりはないだろう。
しかし、baseballが真の国際スポーツであるためにはすべての加盟国で予選を行う三角形型に頂点を決める大会が必要ではないのか?
本来サッカーのワールドカップにあたるべきIBAFワールドカップは主要国のプロ選手が出場しない(出れない)
そもそも破格の影響力を持つMLBがIBAFに加盟していないという事実。
本来であれば、五輪競技であろうとなかろうとこっちが真の世界一を決める大会でなくてはいけないはずだ。

しかしながら現実は現実。主要国は勝手に国内でリーグを開催して勝手に盛り上がって自己満足しているのが現状。
未加盟の最大組織がやっと重い腰を上げるまで現状は変わってこなかった。
やっとあげた重い腰もやっぱり一部の国による「WBCという名の大きな親善試合」になってしまって出場できないIBAF加盟各国は何一つ恩恵を受けることはない。
だからこそ、「baseball」は五輪にすがる必要性に迫られている。
野球にとっては最高峰の大会でなくても、「スポーツ」にとって最も権威ある大会。
それさえも除外されてしまうと、野球新興国が「baseball」という競技を普及推進する理由が無くなってしまう。
「baseballっていうスポーツがあってね、オリンピック競技じゃないけどアメリカや日本では巨大なマーケットがあって、一流選手は国の顔でスターなんだよ」
といくら説明したところで、それは日本で
「クリケットって言うスポーツがあってね、オリンピック競技じゃないけどインドや旧イギリス圏内の国では凄い人気があって、国民は一日中試合に熱中するんだ。一流選手はスターなんだぜ」
と必死こいているのと何ら変わりはない。
強化費が下りるというのもかなり大きな理由のひとつだが、「五輪競技である」というメンツがあるかないかで「baseball」という競技自体の価値を大きく左右することになるのではないか。


本来「baseball」という競技を高めていく上で先頭に立つべき野球先進国が「MLB」「プロ野球」「職業棒球」という一種の娯楽に傾倒しすぎてしまったことによって、これからそのように成長していくべき国々に多大な迷惑をかけるような事態となっている。
MLBが欧州や南米に野球学校を作りだしている。
日本もカープアカデミーはじめ、アジア地域の野球の向上に力を尽くしてきた。
しかしどうだ。それらの努力を無にする事態を自分たちで引き起こしてはいないか?


現状が打開されない限り、五輪に野球は必要だ。
しかし、事実野球は除外された。ともにパートナーであった(と野球側が勝手に思っていただけかもしれないが)はずのソフトボールからもそっぽを向かれた。
だったら現状を打開するしか道はない。
確実に少しずつではあるが普及の成果は出ているように見える。その芽に花咲かせるためには、五輪復帰が難しそうな今こそIBAFを頂点にした三角形の組織を構築する時がきているはずだ。

五輪除外と復帰運動。「野球競技」にとって過去最大の山場を迎えていることは間違いない。


参考:吉田えり初登板から女子野球を考える
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» 無題
確かに野球先進国であるアメリカ、日本は、野球後進国に普及・強化に尽力を尽くしてきたと思っています。ただ普及・強化した後、今度は何をするべきか? それは育て上げた選手を桧舞台でプレーさせることでしょう。
そういった意味ではオリンピックはマイナーな国でも出場のチャンスが与えられていて、悪くないと思っています。ただ削減される背景には野球先進国によるトッププロ選手の不参加は大きいでしょうね。何よりMLBの非協力的な態度が決定的でしょう。自他ともに認める最強リーグであるメジャーリーグに、国際大会に盛り上げる為にトッププロ選手を派遣せよというのは、MLBそのものを捻じ曲げるようなものですからね。

本当に難しい問題です。
プライセス URL 2009/07/01(Wed)21:43:33 編集
» プライセスさん
五輪復帰に向けてソフトボールに愛想尽かされたのは大きな痛手です。
五輪自体に大きな価値はなくても、五輪競技であることには大きな価値があるんですよね。

MLBに参加せよというのは難しいかもしれません。だったら、ワールドカップが本来の「野球」というスポーツの頂点を決める大会だと思うんですよね。
IBAFにMLBが加盟して、サッカーのような真のワールドカップが行われたらいいなと思っています。
westline URL 2009/07/01(Wed)23:31:45 編集
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